骨なしチキン

L:Q/トワ主/二次創作/捏造妄想

トワ誕生日SS【L:Q】

ばたばたしてたらこんな時間になってしまった……!

トワダさんお誕生日おめでとうございます!ギャーッ!!まじですごいギリギリになっちゃったけど好きだ――――――!!!!大好きだよーーーーーー!!!!

 

要約:私がプレゼントをマジで実行しました。

そんな感じの話です。これ祝ってるって……いえるかな……。うん、まあ、その、書いててたのしかったんです……それだけは本当です……。

それでは以下から所謂二次創作お誕生日おめでとう文です。大丈夫だよ!読んでやるよ!なお優しい方はどうぞ。

 

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BDイベ告知


来ましたね!とうとう!!来ちゃいましたね!!ヒャーーーッもう落ち着かないったらないです。間にひとつくらい別のイベントが入るかなあと思っていたんですが、案外すぐだった……ううううソワソワする……今日午後休取っていい?だめ?だって推しの誕生日イベだよ〜〜〜ソロイベントだよ〜〜〜個人スチルだよ〜〜〜ありがとう!!ありがとうございます!!!
もう一月くらい前からずっとソワソワしてたんですよ、ああーーー落ち着かねえーーー!!!!まだあと何十時間もあるのに!!たぶん朝からもうツイッターでおろおろしていることでしょう。楽しみ過ぎるとどうしていいのか分からなくなるよね。あるある。

ところで案の定リボンネタっぽいんですが、まあ前々からフリがあったのでそうだろうとは思ってたんですが、やべーーー当日に上げようと思って書いたトワ誕小説完全にリボンネタだーーー!!だってさああんだけ言ってたら書きたくなるじゃん使いたいじゃん……うおお……まあ明日様子見して大丈夫そうならここに上げようね……。というか公式がやってくれるならイイ子で素直に待てしときゃ良かった!!大好き運営愛してる!!もうホントちょう楽しみすぎて遠足前の子どもみたいな気分です。予想外の行動って何かな!!私がプレゼント❤︎ってやってくれ以外の何かってことかな!?
はーーー早くイベント参加したい……今日は絶対に残業しないからな……。


L:Q2周年

なんだそうで!さーてコメント制覇のためにひたすらTopを読み込むお仕事がはじまるぜ!
記念アバターも配布されるみたいで楽しみです。かわいいな〜〜早く飾りたい。

私はプレイはまだ……ええと確か去年の3月末か4月始めに開始した覚えがあるので実質一年にも満たないのですが、いやあ本当におめでたいことですね!!2周年だぜ!!ヒューヒューウ!
去年始めたときはまさかこんなにどっぷりハマるとは予想していませんでした。主に天才ギャンブラーさんのことなんですけど。今では元気に毎日楽しくトワクラしてますね!やっててよかった最高!!ありがとう!!!ありがとう!!!愛してるぜ!!!

ここもツイッターもかなり好き放題やってる割に反応を頂けたりして、本当に有難いことだなあ……。L:Qを通して色んな方とお喋り出来るのがすごく楽しいし、好きな人たちのお話を聞けるのも楽しい。いやあむちゃくちゃしあわせだな!?すごい恵まれてるな!書いててちょっと泣きそう!(*´∀`*)へへ!

Vita版も発売して雑誌もあちこち載って、と絶好調でうれしい限りです。毎年こうやってお祝いしたいですね!L:Q2周年、本当におめでとうございます!


ねこの日トワ主SS【L:Q】

ねこの日!!でした!!ね!!

イベントごとに間に合わないのはいつものことなので流してやってください。

所謂二次創作というやつです。よろしければ以下よりどうぞ。

 

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バレンタインイベSS/トワ主

バレンタインイベお疲れ様でした!なんかもう、どこもかしこもサイッコーでしたね。素晴らしかった……ちょうかわいかった……。そんなこんなでバレンタインイベのSSです。所謂二次創作ですので、大丈夫な方のみ以下どうぞ。むっちゃくちゃ書いてて楽しかったですこれ。





SWEET ENDであーんして貰ってるのがもうむっちゃくちゃに可愛かったのでもうちょっとあの辺じっくり見たいよね!って話です。S√ラストからアフターのあいだくらい。






……も、もう、むり。
繰り返し角度を変えてはどこまでも深まっていく長い口付けに耐え切れず、力の入らない指先で弱々しく彼の二の腕に縋る。なんとか服をくい、と引くと、ぴたりと動きが止まってーーちゅ、と軽いリップ音を残し、ようやく唇が解放された。
吸って吐く、その動作さえもどかしく荒い呼吸を整えていると、呆れたように笑う低い声がぼうっとした頭に響く。
「いい加減慣れろっつーの」
相変わらず、キスひとつでこーんなへろへろになっちまうんだから、仕方ねえやつ。
そちらに目を向けて、潤んだ視界のままぱちぱちと瞬くと、眦から溢れた涙を長い指先が拭う。口振りこそ小馬鹿にしたようなトーンだけれど、その手付きはひどく優しい。
「……は、あ、」
繰り返すうちようやく呼吸も落ち着いて、私はふかぶかと息を吐く。それを見て軽く身体を起こしたトワダさんは、自身の濡れた唇を親指で乱暴に拭った。たったそれだけの仕草でも彼がすると妙に艶やかで、まるで見てはいけないものを直視したような気分になる。ふい、と思わず目を逸らすと、また小さく喉を鳴らす音がした。きっと子どものようだと笑っているのだろう。
つられたように唇を舐める。ほのかに甘いような、苦いような味がして、その正体は考えないようにする。
「もう落ち着いたか?」
「……は、はい」
尋ねる声に合わせてぐっと近付いた距離に警戒して身を引くと、トワダさんはしねえよ、今は、と笑う。今は、という言葉が引っかかるけれど、休ませてもらえるのはありがたかった。あんなことを何度も繰り返していては、こちらの心臓がもたない。
けれどそこでほ、っと思わず安堵の息をこぼしてしまったのが良くなかったのだろう。ふーん、と低く呟いた彼に不穏なものを感じて、恐る恐る顔をうかがう。ねこのように細められた瞳には面白くねえな、という色がありありと浮かんでいた。
「……おっまえ、最中はあんなに良さそうな顔するくせに。つれねえの」
「よっ……してません!」
してるけど?
してないです!
からかわれているのだと分かってはいても、反応してしまうのはもう性格だ。それにしたって言いかたってものがある、と頰に熱が上るのを感じながら否定していると、ハイハイ分かりましたよとトワダさんが肩をすくめ、応酬が止む。毎度思うのだけれど、どうして彼が譲歩したかのような空気なのだろうか。
「ま、そういうことにしといてやるよ、小学生」
「……それは、ありがとうございます」
ここで反論しても無駄なのは分かりきっているので、不承不承頷くに留める。けれどその反応にちら、と再び彼の目に不穏な色が宿り、私は慌てて他の話題を探した。
「…あ、チョコ!まだ食べますか?」
放っておくと溶けちゃいますよ、とバットに転がしたままのそれを指差す。流石に一度に食べ切れる量ではないので、もし持ち帰ってくれると言うのなら残った分はせめて綺麗にラッピングしよう、と思う。そうした飾りを気にしない人だというのは知っているけれど、あげる側としての自分の気持ちの問題だ。あんまり可愛らしいと嫌だろうから、落ち着いた色合いにまとめようかなあ。そう考えていると、彼も同じようにテーブルに視線を投げた。
「食べるよ」
「そうですか。……」
「……」
「……あの?」
食べる、と言ったものの一向に手を伸ばさない彼に首を傾げる。どうしたのだろう。食べるのが勿体ない、とか?いやいや、そんな人ではない。
トワダさんはぽすん、とテーブルにうつ伏せて、腕の隙間からちろり、と此方を見た。口元が隠れていたって愉しげなのが分かる。そうして、まるで歌うように「あれ、食わせてくれねえの?」と言った。
「……っ、ま、またですか」
ニヤニヤと、こちらの反応を伺うように瞳が細まる。甚振るようなその視線に動揺してはいけないと思うけれど、先ほどの光景と、感触と、熱を思い出して正直な指先がじん、とあまく痺れた。見る間に熱が上る頰を隠すように俯いて、それでもじい、と射抜くような視線を感じる。
「……自分で食べたらいいじゃないですか、普通に……何で今日はそんな風にしたがるんですか?」
普段はこうしたベタベタなやり取りはあまりしない。どちらかと言えば私が甘やかされるーー世話を焼かれる方で。
「駄目なのかよ?」
「駄目、ではないですけど。珍しいじゃないですか」
ちら、と様子を伺うと、トワダさんは理由を探すように視線を彷徨わせて、それからああ、と手をぽんと叩いた。
「あー、……じゃあ、酔ったから。コレで」
「はい!?」
私が思わず顔を上げると、トワダさんは酒入ってるだろ、強めの、と続ける。
「あー困った。もうすげー食べてやりたいけど、手元がおぼつかねえんだよなー」
「それ絶対嘘ですよね!?」
ふざけているとしか思えない声色で、態とらしくふらふらと指先を振るう姿に思わず叫ぶ。
いくら彼好みにしたとはいえ、普段からキツいウイスキーをまるで水か何かのようにすいすいと空けてしまう人だ。例えここにある全てを食べてしまったって、その足元をふらつかせることさえ出来ないだろう。ましてや、たかだかあれだけでなんて。
「何だよ、さっきは素直にやった癖に。一回も二回も一緒だろ。それともなに、お前の奉仕ってその程度なワケ?」
「だから今日はそういう日じゃないですし、やるのに抵抗があるのはそもそもトワダさんのせいじゃないですか……」
私の恨みがましい声も何のその、テーブルに頬杖をついてニヤニヤと笑う彼は、きっと私がトリュフに手を伸ばすまでそのままでいるのだろう。駆け引き。根比べ。どちらも彼相手では得意とはいえない。
はあ、ため息ひとつ。諦めるのも折れるのもすっかり慣れてしまった自分に、ちょっとだけ同情する。
「……さっきみたいなのは、ナシですよ」
「さっきって何だよ」
「とぼけるならやりません」
「ったく、これだから小学生は……ハイハイ、もー舐めねえよ。これでいいか?」
念押しするようにじっと彼を見つめると、分かった分かった、と両手を顔の横に上げてみせる。言質を取ればそれを破ることはしないと分かっているので、私は黙ってテーブルのトリュフに手を伸ばした。
手頃な一つを人差し指と親指で摘み上げると、まだひんやりと冷たい。相変わらずトワダさんはその一連の流れをじい、と見つめていて、向き合うと真っ直ぐな視線が私を射抜く。心臓がとくとくと早鐘を打っていた。やっぱり、緊張する。
「……どうぞ」
「そこは"あーん"、とかじゃねえの?」
からかうような声にきゅ、と彼を睨むと、ハイハイと言いたげに口が薄く開く。そこについ、とゆっくり転がす。離した瞬間、ふるりと震えた指先が微かに柔らかな唇に触れて思わず動揺するけれど、ぐっと堪えて手のひらを握りしめた。
「ん、美味い」
満足げに彼の口角がゆる、と上がり、私はほっと息を吐く。美味しいと言ってもらえるのはやっぱり嬉しいものだ。彼がまあまあだとか、フツーだとか、そんな事ばかり言ってあからさまに褒めてくれることが少ないせいもあるかもしれない。
つられたように私が微笑んでいると、こくん、と彼が食べ終える。そうして、当然のような顔で、次。と言った。
「……えっ!?まだやるんですか!?」
「まだ食べるつったろ」
わたわたと慌てる私を気にもせず、くい、と袖が引かれて次を急かされる。笑みも隠さないその表情からして完全に面白がられていて、こうなったらとことん付き合うしかないのだろう。彼が満足してくれるまで。溜め息をぐっと飲み込んで、慣れないシチュエーションに羞恥を堪えながら、請われるままにトリュフを運ぶ。
そうして何度か繰り返していると、少しだけだけれど、合間に彼の様子を伺う心の余裕が出てくる。普段はまともに此方の言う通りになんてならないのに、今はそっとチョコを差し出せば無防備に口を開いてみせる。とても素直に。
(……これは、)
これはひょっとして、彼に意趣返しをするチャンスかもしれない。散々からかわれたのだから、少しくらい、と。
ふいに湧いた悪戯心に後押しされるように、なに食わぬ顔で彼の作った大きなひとつを摘んで食べさせる。素直にそれを含んだ途端にきゅ、とちいさく顰められた眉と、苦戦するようにむぐむぐと動く、小動物のように膨らんだ頰。その思った通りのリアクションに、思わず口元が緩む。……か、かわいい。
「……、」
間違いなく、そんなことを言ったら機嫌を損ねる。そう分かっていてもゆるゆる綻ぶ素直な自分の口元に手を当てて隠していると、トワダさんの物言いたげな視線とぶつかってハッとする。これはまずい、と脳が警鐘を鳴らす。今までの経験からして。嫌々ながら、彼の「獲物」の勘として。
けれどこてん、と首を傾げたトワダさんは、私を咎めることもせず、まだころころと残るトリュフに目を向ける。その、次は?と言いたげな視線に(おそるおそる、でもそれは気付かれないように、)指でつまんだトリュフを、薄く綺麗に開いた口元へと運ぶ。流石にもう一度悪戯をする気にはなれなかったので、私の丸めた小さなほうを。
そっと近付けると、先ほどまでと変わらず促すように素直に唇が開かれてころりとトリュフを放る。警戒してすぐに指先を引いた私をトワダさんは流し目でチラリと見つめて、何やってんだか、という顔でくつくつと喉を鳴らした。
(…あれ)
ぜったいに何かされると思ったのに。
思わずきょとんとする私に構わず、彼は美味しそうに口内のそれをゆっくりと溶かしていた。私が食べさせやすいようにだろうか、少しだけ俯くその頰に横髪がさらりと掛かって、味わうよう静かに伏せられた目がうつくしいと思う。男の人にうつくしい、は褒め言葉ではないのかもしれないけれど。
(睫毛、ながいなあ……)
この人がこんな風に静かなのは稀で、だから、うっかり見惚れてしまった。うっかり。なんてことだろう。彼を相手にして、油断していい瞬間なんてないというのに。
こく、と男性らしい喉が上下したのを見て、きっとまだ食べるだろうと次のひとつに手を伸ばしかけて、そうして。先ほど慌てて引っ込めたまま、半端な位置に掲げていた私の手。その手首にするりと長い指が絡んだかと思うと、ぐい、と引き寄せられる。なにを?と尋ねる間もなく、まるでこれが今までの続きであるかのように、彼は私の指先に唇を寄せてーーぱくり。
「…っ、!?」
わずかに含まれたアルコールのせいもあるのだろうか。肌に触れるのとはまるで違う熱さに、頭が真っ白になる。息を呑んで目を白黒させる私に、彼は指先を口に含んだまま器用にふ、と口角を上げてみせた。
「トワダさ、そういうことは、しないってーーっ、!」
ようやく絞り出した私の言葉は、指にやわく歯を立てられる感触に呑み込まれた。痛みなどまるでない、ただもてあそぶようにやわやわと、形でも確かめるようなそれに。
そこから少し解放されて、するりと抜けかけたかと思えば逃がさないとでも言うように次はやんわりと唇に食まれる。慌てて腕を引こうとしてもビクともせず、逆に手首を掴む指先がからかうように私の手のひらをつ、と撫で上げて、びくりと身体が跳ねる。掴まれた先に全ての神経が集中してしまったかのようだ。与えられるあらゆる細やかな刺激が、私を翻弄する。
噛む、というよりは食む。痛みを伴わないそれだけの行為から、どうしてこんなに目が離せないのだろう。挑発的に見詰められて、決してこの人がひどいことなんてしないと分かっているのに、そんな気持ちを試すかのようにじわりと力を込められると背筋がぞくぞくとする。このまま食べられてしまうみたいだ。泣きたくなるほどこわいようでいて、もっと、強くしてほしいような、そんな気にもなる。こんなのは変だ、と、止めてと言いたくて、なのに縛られたように声が出ないまま、弄ばれる。頭の奥が熱を持ったようにぼやけて、訳が分からなくなっていく。
「……ごちそうさま」
きっと、時間にすればほんの僅かだったのだろう。最後におまけのように爪先にちゅ、とわざとらしくリップ音を立てて、そのぴりりとした小さな痛みにようやく意識が戻ってくる。手首に絡んだ長い指が解けるのを待つのももどかしく、わずかに緩んだそこから大慌てで腕を引き抜いて自分の胸元に押し隠した。……まだ、顔が熱い。
「なっ、ど、トワ…っ!!」
言いたいことは山ほどあるのに、喉元で言葉の交通渋滞でも起きたかのようだ。なに一つ真っ当な声にならないままぱくぱくと口を開いては閉じる私をおかしそうに眺めて、トワダさんはしれっとした顔で笑った。ちろり、とわざとらしく唇を舐めて。
「何だよ。舐めてはいないだろ?」
「……!!」
今度こそ本当に言葉をなくしてしまった私に、堪え切れない!といった様子で笑いだしたトワダさんは、くつくつと身体を震わせながら腕を伸ばす。やわらかく抱き込んだ私がじたばたと抵抗するのに、ぽんぽんと宥めるよう背中を叩いた。
「ハイハイ、暴れねーの。悪かったよ、びっくりしたなー?」
ーーまるでむずがる子どもをあやすかのようだ。誰のせいだと思って、と腹が立ち、それなのに、その仕草にあっという間に絆されかけている自分がいる。ずるいひとだ。それに加えて、我ながら少し単純すぎるんじゃないか、私は。
悔しいのとそのまま流されてしまいたいのと、複雑な感情にごちゃ混ぜになる。衝動のままその広い胸元にぐり、と額を押し付けると、彼は小さく笑って私の耳元をくすぐった。そのまま指先が滑るように耳から顎、首元に流れて、く、と顔を上げさせられる。こつん、とやさしくやわらかく、額同士が重なる。あまりにも近い距離。
「拗ねんなよ」
「……」
何か話せばなし崩しに許してしまいそうで、唇をぎゅっと噛んで目をそらす。私にだってプライドとか、そういうものがありまして。あと、怒ってるわけでして。けれどそんな意地さえ見透かすように、彼は言葉を続ける。
「おいおい、それはちょーっとズルいんじゃねえの?」
「え、?」
「お前も俺に"悪戯"、したろ」
「……っ」
バレバレなんだよ、という低い声。何のことですかと言い逃れようにも、唇から頰をゆっくりとなぞる親指がそれを許してはくれない。ぞわぞわと背筋を走る痺れに、声まで封じられてしまう。
「意地悪さんだな。楽しかったか?」
「っう、そ、それ、は」
「……悪い子だ」
あの大きなひとかけを食べた時に付いたのか、口の端に僅かに残ったチョコを見せ付けるようにぺろりと舐めて、なあ?とあまく責めるように尋ねられればもうお手上げだ。
「……ご、ごめんなさい……」
「よしよし、素直で結構」
どう考えてもやった分とやられた分が釣り合っていない上にまず先に手を出したのはトワダさんな気がするけれど、そもそもこの人に悪戯を仕掛けようなんて考えが間違いだったんだろう。彼風に言うと授業料というやつだ。
満足げにイイ子イイ子と頭を撫でる彼にされるがままになっていると、その手がぴたりと止まる。見上げたトワダさんの視線の先はバットの上。愉しそうな顔。……冗談でしょう?
「なあ、もっかいやれよ」
「絶対嫌です」
何言ってるんだろうこの人、さっきの今で。私が余程信じがたいという顔をしていたのか、おかしそうに頰をつつかれる。
「もう変なことしねえって」
「い、や、で、す」
いくら何でもここではいそうですかと信用するほど純粋ではない。彼の胸元に手を当ててぐいぐいと身体を離そうとするけれど、当然ながらビクともしないのが腹立たしかった。
「それで抵抗してるつもりか?……それとも、誘ってんのか?」
「そんな訳ないでしょう……!」
必死の抵抗もまるで無意味だ。呆気なく抱き寄せられて、腕の中に閉じ込められる。今日は本当にどうしたんだろう。まるで甘えているみたいな。
そういえばほんの少しだけ、いつもより彼の体温が高い。気もする。
「トワダさん、少し酔ってません?」
「バカ、この程度で俺が酔うかよ。オコサマなお前じゃあるまいし」
「さっきは酔ったとか何とか言ってたくせに……私だってこの程度じゃ酔いませんよ!」
思わず反論すると、目を細めて私を眺める彼の人差し指がふわ、と頰を撫でた。おいおい、さっきからこっち、ずーっとこんなに真っ赤な顔をしてるくせに?
「これは酔ってるんじゃなくて、」
「酔ってるんじゃなくて?」
「、……酔って、……ます」
「っふ、はは!そうかよ」
ここで素直に、アルコールではなくトワダさんのせいですと白状するのと、お酒のせいですと言って子ども扱いされるのと、どちらがマシかを秤にかける。断然後者の方がマシだった。とはいえ、うう、と悔しげな私を見て思い切り吹き出した彼にはきっとバレているのに違いないのだけれど。
ふ、くく、と、妙なスイッチが入ったかのようにくつくつ笑うその表情はご機嫌で、やっぱりこの人ちょっと酔ってるんじゃないかと思う。ぎゅう、と背中に回った腕に力が入り、肩口に頭をうずめられる。ふわふわの髪が頰に触れるのがくすぐったかった。
「あーもう、……お前ってホント、」
そのあとの言葉はくぐもっていて聞き取れない。何ですか、と聞いても答えてくれるはずもなく。ほんと、……何だろう。子どもっぽい?それとも、からかい甲斐がある?脳裏に浮かぶいつもの揶揄の言葉に思わず頰を膨らますと、トワダさんはのそり、と肩から小さく顔を上げた。いつもより随分と低い目線。私を見上げる眼差しは、楽しそうで、嬉しそうで、蕩けてしまいそうなほどやさしくて、ぎゅっと胸が締め付けられて、同時にとても幸せな気持ちになる。
「何だ、楽しそうだな?」
「トワダさんこそ」
「……まーな」
ふ、とその瞳が色気を増して、ぴたりと口を噤んだ彼に合わせて目を閉じる。いつの間にか覚えてしまった間と呼吸、それを褒めるみたいに落とされる口付けに身を委ねた。軽く二度、三度、そうしてするりと解放される。離れていく熱を追いかけるように目を開くと、悪戯に彼が笑う。
「続きがしたいなら、分かるよな?」
わかるよな、って。ぼうっとしたまま首を傾げると、仕方ねえなあという顔で唇をなぞられる。チョコだよ、チョコ。まだ分かんねえの?
「……あんまり食べ過ぎるとよくないですよ」
「ちゃんと運動するからいーんだよ、この後たっぷりとな。なーんて言わせたいのか?」
せめて可愛くないことを言えば、想定の範囲内だとばかりにあっさり返される。くう、と俯いた耳元で、なあ、と囁く声。
「……分かりましたよ」
あれだけからかわれて、遊ばれて、それでもまだこうやってあまく強請られるとつい、仕方ないなあ、なんて手が伸びてしまうのだからお互い様だ。そんな自分に呆れもするけれど、黙って差し出すその仕草をトワダさんはとてもーー(本人はきっと認めないだろうけれど)しあわせそうに見つめて笑うから、私はああ、もういいかなあ、と思ってしまうのだった。